テレビ広告について、こんなコメントいただきました。
「 八塩さんの研究テーマと関係あると思いますが
以下のブログによると大手企業にとって広告費より販促費の方が重要になり
テレビが得意とするブランド広告が弱体化しているそうです。」
http://wiredvision.jp/blog/utada/200907/200907211430.html
おっしゃる通りです。不況の影響で、どこの業界も広告費を抑える傾向が激しい中でも、営業コストはそれほど削減されていない。つまり、メディアにとっては、営業プロモーション費をいかに使ってもらうかが重要ということになります。
効果が測りにくい広告などと違って、営業プロモーションは、売上に直結しますので、必要経費として認められやすいということです。
その最たるものが、ネット広告へのシフトです。検索サイトでもなんでも、アクセス数の多いWEBサイトにバナーなどの広告を出し、そこから企業サイトへ誘導し、情報を得るだけでなく、最終的に購買に至るという、一連の消費行動における意思決定を、全てその場でできるのですからね。しかも、全て実数として効果がカウントできるから、広告の「アカウンタビリティ」としても優れています。
余裕のない経済状況では、効果が明確でない、一方通行の広告よりも、売上に直結してコストも低い、ネットによるプロモーションにシフトしてしまうのも、当然といえば当然のような気がします。
でも、でもですよ、やっぱりテレビ広告には、他の広告メディアを圧倒する力があることも事実です。マスに対して、一瞬にしてブランドを認知させ、イメージを植え付けられるのは、やはりテレビCMなのです。特にタイムCM(番組の提供スポンサー)は、番組のイメージや訴求力との相互作用で、ブランドに対するイメージを長期で、熟成できるというメリットがあります。
こういっては何ですが、そもそも、テレビCMに売上への貢献を求めること自体、ナンセンスなのではないか、と最近思います。
「マーケティング・コミュニケーション」の授業では、1961年にコーリーによって提唱されて、広告論の基本とされる「DAGMAR(測定された広告効果による目標設定)」という考え方を教えます。
これは、コミュニケーション目標は、売上金額や量ではなく、消費者の心理的指標を設定すべきだという考え方です。心理的指標とは、ブランド認知率や、商品理解率、購入意図率、などです。例えば、事前調査でブランド認知率が5%しかなかったところを、CMによって20%に上げる、などという目標を立てて、CMを流し、その後の調査で実際に認知度がどれだけアップしたかを見るということです。
その原則に立ち返れば、「広告は効かなくなった」と嘆く企業スポンサーに対しても、少々の反論もできようというものです。
広告とは、そもそも、売上を上げるためのものではなく、消費者の心理に影響を与えるものなのです。














